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外傷性動静脈瘻(AVF)NEW
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)とは何ですか?
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読み方は「がいしょうせい どうじょうみゃくろう」です。
人間の身体には、心臓から新鮮な血液を送る「動脈」と、心臓に戻る「静脈」があります。通常この2つは毛細血管を経由していますが、強い衝撃やケガなどで隣り合う動脈と静脈の壁が破れ、直接つながってしまう異常な抜け道ができるのが「外傷性動静脈瘻」です。
動脈と静脈が両方ある場所ならどこにでも起こり得ます。足(すね・ふくらはぎ・足首)や、腕や手、首、太ももの付け根、そして肩など、身体の様々な部位で起こる可能性があります。
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)の症状を教えてください。
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打撲などのあとに、皮膚の下にやわらかい膨らみとして出ることがあります。動脈を流れる勢いのある血液が直接静脈に流れ込むため、静脈がボコボコと膨らむ静脈瘤ができたり、患部に治りにくい痛み、しびれ、筋肉のけいれん、冷感が生じたりします。
実際に、足首にできた動静脈瘻で長年苦しんでいる患者さんからは、「痛み止めを飲んでも効かず、痛くて歩いていると足が止まってしまう」「回りの友達に足が重そうに引きずって歩いていると言われた」といった切実な声が寄せられています。普通に歩けないほどの痛みは、本当に辛い症状です。
また、急に大きくなる、赤く腫れる、熱を持つ、硬くなるなどの症状がある場合は、血栓や炎症を伴うこともあるため注意が必要です。放置すると、心臓に過剰な負担がかかって「心不全」を引き起こしたり、異常な血流部分に細菌が付着して「敗血症」といった深刻な感染症を招くこともあります。
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)の原因は何ですか?
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大きく分けて3つの原因があります。
一つ目は、ナイフやガラスなどの鋭利なものによるケガ(穿通性外傷)です。
二つ目は、交通事故や農業機械への巻き込み、スポーツ中の打撲(例えば野球のボールが強く当たったなど)のような、皮膚は切れていなくても強い衝撃を受けた場合(鈍的外傷)です。
三つ目は、病院での注射や点滴、手術などの医療行為の際に、意図せず血管が傷ついてしまうこと(医原性損傷)です。
驚くべきことに、受傷してすぐに症状が出ることもあれば、ケガから10年、20年、あるいは45年も経過してから、心不全や重篤な感染症をきっかけに突然発見されるケースも医学的に多数報告されています。昔のケガだからと油断はできません。
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)の診断方法は?
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まずは、症状のある部位を直接確認し、触診や聴診を行います。異常な血管のつながりがある場合、聴診器を当てると「ザーザー」という連続した血管雑音が聞こえたり、手で触れるとブルブルとした細かな振動(スリル)を感じたりすることがあります。
そのうえで、超音波(エコー)検査を行い、血流の異常や血管のふくらみ、こぶのような変化がないかを確認します。さらに詳しく状態を把握するために、造影CT検査やMRI検査、MRA検査などを行うこともあります。
より詳細な血管の流れを確認する必要がある場合には、カテーテルを使った血管造影検査を行います。
血管造影検査とは、腕や足の付け根などの血管から細く柔らかい医療用の管(カテーテル)を入れ、造影剤という血管を見やすくする薬剤を流しながら、レントゲンで血管の流れをリアルタイムに確認する検査です。
正常な状態では、心臓から送られた血液は動脈から毛細血管を通り、ゆっくりと静脈へ流れていきます。一方、外傷性動静脈瘻がある場合には、動脈と静脈の間に異常な抜け道ができているため、造影剤が通常より早いタイミングで静脈側に流れ込む様子が確認されます。
このように、診察所見と画像検査を組み合わせることで、外傷性動静脈瘻の有無や血流の状態、治療が必要かどうかを判断していきます。
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)の治療について教えてください。手術は必要ですか?
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外傷性動静脈瘻(AVF)は、動脈と静脈が本来とは異なる形でつながってしまう状態です。症状の程度や血管の場所、血流の量、周囲の組織への影響などによって、治療が必要かどうかを判断します。
小さなものや症状が軽いものでは、経過を見ながら慎重に観察する場合もあります。
一方で、痛みや腫れ、拍動するような違和感、血管のふくらみがある場合や血流の異常が大きい場合には、治療が検討されます。
治療法のひとつに、外科手術があります。
外科手術では、皮膚を切開して異常につながっている血管を確認し、血管を縛ったり、縫い合わせたりして血流を正常に近づけます。病変の場所や大きさによっては、外科手術が適している場合もあります。
一方、近年では、身体への負担を抑えた治療法として、カテーテルを使った血管内治療も行われています。これは、腕や足の付け根などの血管から細い管を入れ、血管の内側から異常な血流を抑える治療です。病変の状態に応じて、コイルや塞栓物質、ステントなどを用いて、異常な血管のつながりを閉じることがあります。
カテーテル治療は、メスで大きく切開する必要が少ないため、身体への負担を抑えられる可能性があります。
ただし、すべての外傷性動静脈瘻に適しているわけではなく、病変の場所や血管の形、血流の状態によって、外科手術が適している場合もあります。
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Q:外傷性 動静脈瘻(AVF)の治療は保険適用となりますか?
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結論から言うと、カテーテル治療(血管内塞栓術)は保険診療で対応できることがほとんどです。
医療機関を受診する際は、「外傷後にできた静脈瘤ですが、超音波検査や治療は保険診療で可能ですか?」と直接確認していただくとスムーズです。
Q:外傷性 動静脈瘻(AVF)が発生しやすい年齢は?
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ケガや医療行為がきっかけとなるため、受傷した年齢に依存し、特定の年齢層にだけ起こるわけではありません。
Q:日常生活でできる痛みへのセルフケアはありますか?
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患部を固定したり、適度に圧迫したりすることで、ご自身に合う痛みの和らげ方が見つかることもあります。
しかし、強いマッサージには注意が必要です。異常な血流を増加させ、痛みが悪化する可能性があります。特に患部が急に大きくなる、赤く腫れる、熱を持つ、硬くなるといった症状が出ている場合は、血栓や炎症を起こしている恐れがあるため、ご自身で刺激を与えずに医療機関のエコー検査などで状態を確認することが大切です。
過去のケガ(ガラスでの切り傷、スポーツの打撲など)や注射のあとにできた血管のふくらみ、長年続く治りにくい痛みやむくみでお悩みの方は、「もしかして昔のケガが原因?」と疑ってみることも大切です。
一人で悩まず、専門の医療機関を受診してみてください。
Q:外傷性動静脈瘻(AVF)のカテーテル治療とはどういったものですか?
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外傷性動静脈瘻(AVF)に対するカテーテル治療は、血管の中から異常な血流の通り道にアプローチし、血液の流れを本来の状態に近づける治療です。
治療では、腕や足の付け根などの血管から、細くやわらかい医療用のチューブ(カテーテル)を入れます。レントゲンで血管の流れを確認しながら、動脈と静脈が異常につながっている部分の近くまで、カテーテルを少しずつ進めていきます。
血管の内側には、皮膚のように痛みを感じる神経がないため、カテーテルが血管の中を進んでいる感覚は、ほとんどわからない方が多いです。治療は通常、局所麻酔で行われます。
異常な血流の通り道まで到達したら、血管の状態に合わせて、小さなコイルや専用の薬剤などを使い、動脈から静脈へ直接流れ込んでいる血流を調整します。これにより、血液が異常な抜け道に流れ込みすぎないようにし、本来の血流に近づけていきます。
カテーテル治療は、皮膚を切開せずに行えるため外科手術と比べて身体への負担が軽く日帰りで行うことが特徴です。ただし、すべての外傷性動静脈瘻に適しているわけではなく、血管の形や病変の場所、血流の量などによって適した治療方法は異なります。
そのため、治療を行う際には、画像検査で血管の状態を詳しく確認したうえで、外科手術やカテーテル治療などの中から、その方に合った方法を検討します。
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著者プロフィール
奥野祐次 M.D., Ph.D.(医師・医学博士)
オクノクリニック 総院長
専門分野:慢性疼痛、モヤモヤ血管に対する血管内治療、カテーテル治療・動注治療、画像診断(MRI・エコーを活用した精密な痛みの診断)
2006年3月、慶應義塾大学 医学部 卒業。2008年より放射線科医として血管内治療に従事し、2012年3月、同大学大学院医学研究科博士課程を修了(研究テーマ:「病的血管新生」)。同年4月より江戸川病院にて運動器疾患に対する血管内治療を専門に担当。2014年には同院「運動器カテーテルセンター」センター長に就任。2017年10月、神奈川県・センター南にて「オクノクリニック」を開院。
現在東京を中心に全国10院を運営するオクノクリニックの総院長。運動器カテーテル治療の専門医として、長年にわたり痛みに悩む患者の治療に取り組んでいる。

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